7th Sanuki GM Conference 開催報告

かがわ総合診療研究会の第7回さぬきGMカンファレンスを令和7年5月17日 三豊総合病院にて開催いたしました。お陰様で34名の参加を頂き、内、3名の専攻医と8名の初期研修医も参加してくださいました。また、プライマリケア学会の新・家庭医療専攻医のOJT2単位、専門医・認定医の更新単位2単位も申請準備が間に合い、11名から申請を頂きました。 司会は三豊総合病院 内科主任部長 藤川達也先生が行い、開会挨拶は香川県医師会会長久米川啓先生からお言葉を頂きました。 診断戦略学の第一人者である獨協医科大学総合診療医学主任教授 志水太郎先生をお招きし、第1部 臨床推論 志水太郎先生×研修医 三上博史先生(症例提示)、第2部 講演 志水太郎先生「救急外来における意識障害」を開催致しました。 第1部の臨床推論では、研修医 三上先生の症例提示スライド1枚目の「44歳 女性 主訴:腹痛」から救急外来での診断戦略を展開してくださいました。研修医の意見や考えを引き出しながら診断を進めていきます。最初の10秒でABC(Airway,Breathing,Circulation)を確認、問題なければ、次の1分間は患者に集中、2分目からカルテ記載しながら診察、5分以内に採血・造影CT・入院がそれぞれ必要か判断する。痛みの訴えがあれば、すぐ診察を行う。など、志水先生の思考が泉のように言葉としてあふれ、会場は志水先生の言葉をしっかりと吸収していきました。あっという間に100分が過ぎ、第2部の講演 志水太郎先生 「救急外来における意識障害」は、第1部の症例に関連して、閉塞性尿路感染症から意識障害に至った場合は、ウレアーゼ産生菌により尿素が分解され生成されたアンモニアが吸収されて高アンモニア血症となり意識障害が発生することがある、といった内容も含まれていました。 最後に会場から、髄液検査の適応やタイミングについて質問があり、細菌性髄膜炎を疑えば治療開始が遅れないために、実際の検査と治療の方法を伝授頂きました。 若い先生からベテランの医師まで学びの多い講演会となったと思います。 香川県まで足を運んでくださり最先端の診断戦略を見せてくださった志水太郎先生、また、GMカンファレンスへご参加頂いた先生方に深く感謝申し上げます。(三豊総合病院 内科 遠藤日登美、中津守人)