谷憲治先生のご著書のご紹介

 谷憲治先生から、2冊のご著書を出版されたとのご連絡をいただきました。谷先生は、徳島大学総合診療医学分野の教授として、地域の医療の確保と、後進の育成にご尽力され、四国ブロック支部の功労賞も受賞されました。紹介文を掲載させていただきます。(ブロック支部長 阿波谷)

念願だった2冊の本を出版しました 

仁寿会 東洋病院院長 谷 憲治

 私は、長らく徳島大学で勤務している間、ぜひ執筆してみたい本が2冊ありました。大学に在籍している間は、とにかく医学研究に力を注ぎ、その成果を必ず英語論文として発表しなければならないという使命があったため、一般書の執筆は、なかなか業務の合間の優先事項に加えられないものでした。このたび、大学を定年退官して、そういった任務から解放されて2年が過ぎた今、その願いをかなえることができました。

 執筆したかった2冊の本の1冊目は、「思春期・青年期 悩みの特効薬」というタイトルで2025年3月に青山ライフ出版社より発行しました。約50年前の自分自身の日記に記された高校生時代の感受性の強い時期の精神的な悩みを紹介し、その悩みを和らげようと読みあさった書物から教わった金言を一冊の本にしました。読んでくれた読者から「私も青春期に同じ悩みを持っていた」と共感が得られるのか、あるいは自分の思春期の悩みは自分独特のものだったのかを知りたいという願いも出版に込めていました。自分の子孫たちにこんな血のつながった先祖が存在していたのだということを伝える記録として残しておきたいという思いもありました。発行して3か月を過ぎると、この本が紀伊国屋などの各書店に並べられるようになりました。また、平惣書店の徳島出身著者のコーナーには数冊が陳列されているのをみかけました。自分の著書が一冊の紙の本になって書店に並ぶ景色は何とも言えない誇らしいものだということを生まれて初めて経験しました。読んでくれた知人たちからは「日頃の谷先生の言葉の背景にはこういう人生があったんですね(70歳代 元教授)」、「思春期になって口をきかなくなった孫の気持ちを知りたくて読んでみました(60歳代 外来患者)」、「谷先生の一生懸命生きてきた証が本になっているなんて素晴らしいです(20歳代 外来患者の娘)」などのうれしいコメントをいただいています。


 2冊目として執筆したのは自分の専門領域である関節リウマチをテーマにした小説です。それは「私のリウマチ日誌~リウマちーむとの出会い~」のタイトルで2025年5月に牧歌舎から出版されました。関節リウマチを発症した架空の患者を主人公とし、私が現在勤務する東洋病院を診療の舞台として、関節リウマチとその治療によって生じる様々な課題に病院のチームとして対応していくというストーリーです。専門用語には注釈をつけて解説することで、リウマチ患者やその家族だけでなく、リウマチ診療やチーム医療に取り組む医療スタッフも読者の対象としました。図は、職場のスタッフが作ってくれたこの本の紹介パンフレットです。この写真に写っている私以外の6名の病院スタッフは、看護師、薬剤師、PT/OT、MSW、事務員として診療チーム(チーム名称は「リウマちーむ」)を結成し、常日頃からリウマチ診療に関わっており、今回はこの本の執筆にも加わっていただきました。まだ、発売して間もないので届いた感想は少ないですが、とりあえず著者の中の一人のスタッフが作成した表紙や挿絵のセンスがよいと評判です。

 こういう2冊の本を出版できたことで、一息ついている今日この頃です。どちらの本もアマゾンなどのネット販売や、有名書店の予約販売で購入できるので、ご興味のある方はぜひ手にしていただいて感想を送ってもらえればうれしいです。著者に入る印税がこんなに微々たるものだということが分かったことも本を出版してみて初めて知ることのできた成果のひとつです。


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