総合診療セミナー「総合診療における臨床研究」

 高知家総合診療専門研修プログラムの主催で「総合診療における臨床研究」をテーマに総合診療セミナーを開催しました。

 講師として高知大学医学部臨床疫学教室の佐田 憲映先生においでいただきました。佐田先生は腎臓、内分泌、膠原病内科の臨床医として活躍されながら、全国に5つしかない研究をテーマとした総合診療専門医のためのアドバンスト研修プログラム「高知県臨床研究フェローシップ」で指導を行っておられます。

 高知家総合診療専門研修プログラムの専攻医、指導医はもちろん、総合診療に興味をもってくれている学生にも参加していただき、準備にあたった者として大変ありがたく感じました。

 講演は、ご自身の紹介に続いて、臨床において疑問に感じる事が臨床研究の第一歩となること、疑問に感じたことを解決する能力を養うことが、専攻医研修を終了した後に、自身を成長させる力になる、というお話をいただきました。その後実際の臨床研究の進め方についてお話をいただいた後に、「オンライン診療は総合診療分野で有用か?」というクリニカルクエスチョンに対してのPECOをグループ毎に作成してみました。グループ毎に様々なアプローチがあり、それぞれに対して佐田先生からコメントをいただくことで学習を深めることが出来ました。

 今回のセミナーを通して、なかなか時間がなかったりアドバイスをもらえる人がいなかったりと、取り組むのにハードルが高いと感じる臨床研究への取り組み方の基本を学ぶことが出来ました。これからは、通常診療の中で臨床研究につながるようなふとした疑問点を探すこと、そしてそれを臨床研究につなげていけるようにさらに勉強を進めていきたいと思います。

 受講後のアンケート(回答者 11人)では、「セミナーのわかりやすさはどうでしたか」という質問には、大変わかりやすかった 90.9%、わかりやすかった 9.1%、「セミナーの内容は期待したものと一致していましたか?」という質問には、期待以上であった 45.5%、ほぼ期待通りだった 54.5%、と参加者の皆さんの持つ期待に応えることが出来たのではないかと思える結果となりました。自由意見でも「臨床研究を身近に感じた。」、「臨床研究について、ベテランになってからやるものという意識から、専攻医の段階でどんどん疑問を持ってやっていくものという意識に変わりました。」といった臨床研究に対する意識の変化を感じさせる意見や、「日々の臨床の疑問から研究に結実させるには、院内外での研究のメンタ-、仲間が必要と実感した。県内での研究の報告会などあれば参加したい。」といった臨床研究をどのように目に見える形にしていくのがよいかを意識した意見があるなど、皆さんにとって有意義なセミナーであったことが伺えました。

 佐田先生に心より感謝申し上げます。

(高知大学 岩下)



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